体調が悪く行くつもりはなかったのだが、交錯する情報の中、確度の高い廃車回送情報を得て、いてもたってもいられなくなり、「緊急出動」した。これが、パノラマカーの持つ魔力であり、同時に魅力なのか。大江駅に到着時点で、廃車回送の情報が真実だと言うことを知ったあと、これも当初の予定になかった築港線沿線の緊急ロケハンを敢行。撮影ポジションを決め、通過時刻がはっきりとわからないなか、かすかに聞き覚えのある電子音が聞こえた。そして4つ目のライトのうち、下2つを旋回させて、ミュージックホーンも高らかに、最後の、本当に最後の終着駅である、東名古屋港駅、そして名電築港駅へと、撮影している名鉄関係者、沿線従業員、そして我々パノラマカーファンに最後の挨拶をして、ゆっくりと通過していった。正直なところ、僕はあの時も、いや今でさえ、どう感じてよいのかわからない。しかし、ずっと後に、名鉄にはパノラマカーというスーパースターがいたのだと、身にしみて思うときが必ず来るに違いない。さようなら。ありがとう。パノラマカー。(写真と文章は、自分のサイトでも使用予定です。)